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勇気と無謀

ようやく一息つけます。
20日さえ過ぎれば少しは楽に・・・

5/12付のスポーツ報知に載っていたとある記事がとても印象的だったので、それについてちょっと書いてみようかと思います。

「これぞプロ!というプレーとは何ぞや?」
というのが主題だったのですが、ここに書かれていたのは二人の選手。
オリックスの平野恵一とヤンキースの松井秀喜(以下敬称略)。

5/6の千葉マリンスタジアムでのロッテ対オリックス戦のことですが、この時セカンドを守っていた平野は1塁ファールグラウンドに上がったファールフライをフェンスに頭からぶつかりながらもキャッチ。相手であるロッテのファンからも拍手喝采を浴びたのは記憶に新しいところです。
新聞やニュースでも「フェンスを恐れないガッツあるプレー」と称賛されてました。
ただ、平野自身は骨には異常はなかったものの、全治3週間で戦列を離れることとなりました。

ここで問題になるのはフェンスへのぶつかり方。
私も映像をスポーツニュースで見ましたが、あれは頭から飛び込まないと取れるかどうかというような飛球でした。
報知では、「本当に魅せる選手なら足から行くという評論家もいる」という風に書いています。
確かにこのプレーによってチームは救われたかも知れません。
しかし、それと引き換えに自分がチームを離れることで戦力ダウン、という事態になります。
真のプロのプレーならば、怪我をせずに魅せる、というのがスポーツ報知の論調です。

そこに出てくるのが松井秀喜。
彼は巨人時代からこういったプレーに対して非常に悩んだそうです。
チームを1試合救って残りの試合を欠場して迷惑をかけるか、自重して年間通して活躍することでチームに貢献するか。
結局彼はある程度自重することで5/11に骨折するまで1768試合連続出場という記録を打ち立てました。
守備中の怪我で骨折、記録ストップというのは何とも皮肉な話ですが。

このあたりの線引きは非常に難しいのではないかと思います。

華麗にダイビングキャッチとなれば華があるように見えます。
しかし、その代償として長期の離脱にもなりかねません。
巨人の高橋由伸はこのせいでかなり記録的にも様々な意味でも損をしているように思えます。
彼は入団2年目でナゴヤドームのフェンスにぶつかりながらキャッチし、鎖骨を骨折したのを皮切りに、守備中の怪我で戦列を離れることが非常に多いです。
今年も4/13にダイビングキャッチを試み、顔面痛打で脳震盪、さらに左脇腹の肉離れで今日まで戦列を離れていました。
全力プレーで望む彼の姿勢はとてもすばらしいことだと思います。
ただし、その時の怪我で毎年のように登録を抹消されるのはもはや恒例。
昨年は規定打席にも到達しませんでしたし。

真の「これぞプロ!」と言えるプレーとは何なんでしょう?

怪我を省みず全力で飛び込んでいくことなのか、それを自重する勇気を持つことなのか。
これらをひっくるめて考えると、難しい打球でもキャッチし、なおかつ自分も無事、というのが一番理想なのでしょう。
フェンスへのぶつかり方一つをとっても、頭から行くか、足から行くか、あるいは怪我のないようなぶつかり方をするか。
ですが、現実にはこれを行うのは難しいことだと思います。

この先、プロ野球選手にはこの「勇気」と「無茶」の線引きをできるかどうか、という点も見逃せなくなるんじゃないでしょうか。


ぼやき:
特に高橋には自重することもまた勇気の一つであるということも考えて欲しいなぁ、と思ったり。
怪我さえなければ彼はタイトル獲ることも決して夢物語ではないと思うのですが・・・
by sonokichi | 2006-05-12 23:50 | 野球

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by そのきち