人気ブログランキング | 話題のタグを見る

あなたは、そこにいますか?

劇場版「機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-」観てきました。
社内カレンダーで平日でも休みの日がたまにあるので、これは非常に助かったというか。
おまけに朝一のファーストショーだったので割引。
いいことです。

では、未だまとまっているようなまとまっていないような感想をちょこちょこ書きますので、ネタバレ嫌な方はスルーください。






まず。

アニメーターさん息してますか?

と。
戦闘シーンの演出がハンパじゃありません。
これが3Dだったらポケモンショックも目じゃないぜ!といったくらいにとんでもないことになっていたのかも(苦笑)
それくらいのものです。

全体として思うことは、「00」の物語としては走りきったであろうと。
ネタ的に「蒼穹のファフナー」+「トップをねらえ!」+etc・・・の感が非常に強かったですが。
TV版の流れから言って「相手との対話、解り合うこと」というテーマで最後まで通したからそこは理解出来ますし、納得。

ただ・・・

ちょっと理想主義が強すぎやしませんか?と思うのもまた事実。
今回は相手が人間ではなく、木星から突然出現した金属異星体。
その行動目的も知性すらあるのかどうかよくわからん相手。
ソレに対して「解り合いましょう!」というのはいささか「どうなのよ?」と思わないでも。
一応、人間サイドの解釈でこの金属異星体の行動目的はこうであろうとなってますけど。
その目的が「ファフナー」のフェストゥムのような。
諸々端折っちまった言い方をすると、「一つになりましょう」、「同化しましょう」、と。
そういう方々と「解り合う」というのですからね。
いや、そもそもガンダムで異星人ネタをやるのがそもそもどうなのかと思うところはあるのですが。
「ガンダム」として見なければ良いというまた悪いところが出てきてしまうのは否定出来ません。
別に人類同士の戦いだっていいじゃないか・・・

とは言えど。

正直なところ、ラストのエンドロールまでは非常に楽しめたといってもいいでしょう。
ただ、エンドロール明けのエピローグが・・・
上記異星体と「解り合った」結果を伴って刹那がある方の下へ向かうのですが。
それがまた衝撃的で。
ある方は目が潰れておりましたのでそれを見ることはなく、一見ハッピーエンドにも見えます。
その人の理念は間違っていなかった、と。

ただ。

これは見ようによってはある意味最悪のバッドエンドと言ってもいいのではなかろうか?とちょっと思ったり。
本当に異星体と解り合えたのだろうか?
一つになることは怖いことではないんですよ、だから一つになっちゃいましょう。
そこに異星体の悪意は一切無かったのか?
同化しようとする目的も刹那がクアンタムシステムを発動させた際に語られますけれども、それが本当にそうなのか?
仮にそこに悪意があった場合、ラストシーンの後、人類が何の躊躇いも無く同化して滅ぶという絵すら浮かんでしまうのですが。
最終決戦の最中にある挿入歌が流れるのですが、そのタイトルが「もう何も怖くない、怖くはない」と、異星体と同化することは悪いことじゃないとすら示唆してるんじゃないか?という歌をバックに次々と人々が死んでいく様を見ているとちょっとゾッとするのでした。

しかしながら、製作者がそこまで意図していたとも思えませんけどね。
単に反戦というテーマを突き詰めた結果がこの劇場版であるだけという。
上記の意図を全く込めていなかったとしたら、理想主義にも程があると私は思うのですが。
そういう意味でラストで思いっきりズッコケた感があります。
刹那には個人的に幸せになって欲しかったと思うのですが、アレが彼の幸せだったというのならもう何も言うことはありません。
劇中のフェルト曰く、「彼の愛は大きすぎるから」。


大雑把に言うと、上記のような感想。
では、あとはちょこちょこ細かいところを。

キャラ編
ガンダムゆえ、普通にレギュラーキャラにも死者が出たりしますが一部を除き、そこは触れないようにします。

・刹那
上記の通り、ある意味聖人、天上人となっちまいましたね、と。

・ロックオン
狙い撃つぜ!→乱れ撃つぜ!!と台詞が劇中でレベルアップ。
もはや無双状態。
ガンダムサバーニャにて凄まじい修羅の如き活躍を見せてくれます。
ある意味種運命のストライクフリーダム超えたであろう御方。
アニメーターさん、息してますか?
とある場所にて、ガンダムデュナメスリペア(?)に乗って颯爽と現れてくれる姿に軽くウルッと来ましたわ。
ニール、見てるかッ!?
と思ったら、いいところでニールとリヒティとクリスティナが出てきたりしてここでもジーンと来る結果に。
アレ?第1期戦死者の中でモレノさんハブられてますね?

・アレルヤ
TV版の不遇っぷりはどこへやら。
複座コクピットになったガンダムハルートにマリー共々乗り込んで大活躍。
ハレルヤも元気そうで。
ただ、戦闘中アレ→ハレ→アレ→ハレと目まぐるしく人格が変わりまくるため、前のシートに座っていたマリーにとってはさぞ五月蝿かったことでしょう。

・ティエリア
「私は多分3人目だから」を地で行く男。
いくら肉体が滅ぼうが個体ストックが尽きない限り無限増殖マリオ状態。
まさか最終決戦において手乗りサイズ(?)になるとはね。
愛機・ラファエルガンダムは魅せ場はあるものの退場が早すぎるのが難か。

・トレミークルー
スメラギさんは良くも悪くも変化無し。
相手が異星体ゆえに戦術予報の出番がなかったのが残念。

フェルトは、扱いが、ね・・・
第2期ラスト付近でも確かに刹那フラグ立ってましたけど。
何かそこの辺りが最後までモヤモヤ。
第1期最終決戦と似たような状況での退艦命令を断固拒否したところはさすがに「オオッ」と思いましたが。

ミレイナがダブルオークアンタ出撃前にとんでもないことを口走った瞬間のイアンの旦那とリンダの反応が真逆で笑えたり。
いつの間にティエリアフラグ立ててたんだ(笑)
「00」見てて毎度思うことでしたが、イアンの旦那は戦争終結の最大級の功労者だと思うのですが・・・
ダブルオーガンダムやダブルオークアンタは彼無しでは完成し得なかったわけですし。

・沙慈&ルイス
空気(苦笑)
いきなり最終決戦直前にルイスを置いて戦場に出向くとか言い出すもんだから「ナニする気だコラァ!」と思ったものですが。
彼は彼なりに自分の役割を心得ているようで何だか安心しましたわ。
でもやっぱ空気(汗)

・グラハム
無駄に熱いところは健在。
フラッグタイプであろう、ブレイヴ指揮官機での無双状態は凄まじいとしか。
ブレイヴがどことなく「マクロス」のバルキリーを彷彿とさせるような感じで運用出来るし、実際似たような動きまでしておりました。
・・・早乙女アルトでも乗り移ったか?
TV版第2期でもう少し刹那との関係にケリをつけてくれれば良かったのに、と今でも思う人物でした。

・ビリー
一番の役得男か。
しかもちゃっかりネーナ、もといミーナなる女性(声も同じ)とくっついていたり。
今回の劇場版で「や、優しくお願いします・・・」が一番印象に残った台詞である私はどうしたらいいのでしょうか?

・コーラサワー
コイツはどうなったかは書いてもいいですよね?
この名前を書くだけでどうなったかわかるようなモンですから。
「幸せになったモンで、不死身じゃなくなっちまったようですぅ~(笑)」と異星体に侵食される様をマネキン准将にライブ中継すなっ(爆)
ちなみに、今回定番と化した「大佐ぁ!」→「准将だ!」のやり取りが凄く好きでした。
地味にマネキン准将にくっついてあちこち出番があったりする役得男か。
コーラファンにはたまりません。

・アンドレイ
小熊っ!
TV版は最後まで好きになれなかったヤツでしたけどね。
戦闘シーンしかほとんど出番はありませんでしたが、なかなかどうして、熱いヤツになってました。

・デカルト
劇場版オリジナルキャラ。
声に勝地涼と、若手俳優を起用しているとのことで演技がどうなるかと心配してましたが、思ったほど悪くはありませんでした。
ただ・・・カマセの役割しか与えてもらえなかったのが泣き所。
もうちょっと活躍させても良かったのでは・・・?

・マリナ
この劇場版でこういう役割を与えるならば、もうちょっとTVでの扱いを考えて欲しかった人の一人。
別に恋愛どーたらとかではなく、ドラマに絡ませておけば劇場版での見方も多少変わったのではないかと・・・

・イオリア
声がウルザードに(汗)
どうせならばTV本編の大塚周夫さんの息子である大塚明夫さんを起用すれば良かったのに・・・と思ったのは私だけだろうか。
で、近くに中の人が名前を隠すことをやめたアムロって(滝汗)


メカ編
もう戦闘シーンが凄まじかった・・・とひたすら感嘆。
しかもガンダムだけじゃなく量産機もそれなりに活躍しているところがGood。
地球連邦のGN-X Ⅳや、グラハムさんの指揮するソルブレイヴズが運用するブレイヴ(試験機だそうですが)なんかも魅せ場があって良し。
種なんかだと量産機はひたすら真の主役機に撃ち抜かれるだけの存在だったのにね。
・・・ああ、そういや建前上の主役機もガンダムとか言いながらアッサリやられてたっけ。

ダブルオーライザーが刹那の状態もあったせいか、ほとんど魅せ場ナシに終わってしまったのが・・・
その後継機であるダブルオークアンタもそもそものコンセプトが「来るべき対話」に向けてのものゆえ、ほとんど戦闘での魅せ場は無いと言ってもいいかも知れません。
そこだけが残念といえば残念。

金属異星体は・・・完全にコンセプトは「トップをねらえ!」の宇宙怪獣だろ、と。
木星から出てくるシーンなんて、「第3次スーパーロボット大戦α」のオープニングムービーを連想しちまったくらいですし。
接触すると侵食されるので、近接武器が使えないというのは描写の面で重荷になっちまったのかも。
その為に量産機ですらとんでもない火力持っているようになってしまうのが何ともはや。


と、まぁつらつら書いてみましたが。
ガンダムで異星人ネタをやっちまったことで今後が心配。
一度そういうのをやってしまうと悪しき前例として以降の作品に影響を及ぼしかねないですから。
最初から異星人の侵略に対抗するガンダム・・・なんてのが出てきそうです。
だったらガンダムじゃなくて別のスーパーロボットアニメとして作れー!と言いたくなるのですが・・・
by sonokichi | 2010-09-24 22:07 | ロボット

毎日更新する気力を失ったブログ不定期運行中


by そのきち